「おっそーい」





二人で教室へ戻って、ユカの第一声がこの言葉。


腕を組んで、眉をへの字に曲げてた。



「あの…えっと?」




一応、うまくいったことを証明するために、私はずっと先輩とつないだままの手を少しだけ上にあげて見せる。







「そんなんしなくても、分かってるから…」



「えぇ!?」




「ジュディも貴光も私もこうなるって知ってたから」


うそーっ!


なんでなんでなんで?





「ほんと、イライラしたわよ。お互い両想いなのに全然気づかないんだもの。少女漫画か恋愛小説読んで全く話が進まない展開にイライラしてる時と同じ気持ちだったわよ」



ユカは「ねっ」とジュディに同意を求めた。


「そうネ!二人とも鈍すぎるのヨ!」


ジュディも何やら待ちくたびれたようで、腰に手をあててこっちを呆れた目でみていた。



委員長はというと、相変わらず気の弱そうな表情で佇んでいる。