「ところで、先輩はどうしてホームセンターなんかに?」

先輩の足元には、ふたつの大きな木材と、さまざまな色のペンキの入った買い物袋おいてある。

一体何を作るのかな?

それとも何かの修理?



「あー本棚作ろう思ってな」

本棚!?

「妹が作れ作れゆうてうるさくて」


先輩って大工さん目指してるのかな。


「先輩って将来大工さんとかになるんですか?」

そう聞くと先輩はハハッと爽やかに笑って、



「違う違う、俺の夢はインテリアデザイナーや。似あわへんやろ?」


「似あわないなんて!全然似あってます!」


インテリアデザイナーか、とっても先輩に似あってる。

美容師とかも似あいそうだけど、インテリアデザイナーの方がなんかしっくりきた。

「あ、そうや、校舎裏の白いベンチわかるか?」

「はい」

「あのベンチ、俺が作ったんやで」



「せっ先輩が作ったんですか!?」

驚いた。

あの、ふあふあ~で、とろろろ~んなほんわかした気分にさせてくれるあのベンチは、藤井先輩が作ったものだったんだ。


あのベンチは私だけのものって一人占めしようとしてた私が恥ずかしい。