藤井先輩と私。

部屋に戻ると、カバンを膝の上に置いてベットに腰かけた。


「携帯携帯っと…」



ごそごそとカバンをあさり、教科書たちに埋もれた携帯を救出する。


「ふぅ…」



取り出した携帯を見つめて無意識にため息がもれた。



「しっかりしなくちゃ」



明日、私は藤井先輩に気持ちを伝えるんだから。


お母さんたちの話をきいて、やっと決心がついた。


フラれるって分かってるけど、でも伝えたい。


好きだって…先輩に。




アドレス帳から先輩の名前をさがす。







≪藤井 悠太≫



あった…。


メール送るだけなのに、もう心臓がうるさくなってる。

こんなんで明日告白できるかな…。


ううん。

だいじょうぶ。

ちゃんと言える。


頑張るもん。