「お父さんとお母さんってどんなふうに付き合い始めたの?告白したのってどっち?」
「………」
「………」
二人とも黙ったまま。
顔は徐々に赤くなっていってる。
「お母さん?」
「お父さんに聞いて」
お母さんは目を泳がせて、チラチラとお母さんを見る。
「なっ…なんでだよ。陽依、お母さんに聞きなさい」
お父さんもあわててるし…。
二人ともどうしちゃったの。
「しかたないわね…」
お母さんは、スプーンを置くと、私の方に向き直った。
「もう、本当に恥ずかしいから一回しか話さないからね」
「うん」
お母さんは、深呼吸して顔を仰ぐと、
「お父さんのことを好きだって思い始めたのは入社してすぐよ。お父さんと私は同期でね。最初は、カッコよくてよく会社の女の子たちに囲まれてたお父さんを遠くで見てるだけだったの」
お母さんって奥手なほうだったんだ。