「ただいまー」


「おかえり陽依」


ん?

この声はお父さん?

いつも8時すぎるころに帰ってくるのに、なんでこんなに早いんだろう。

玄関の時計を確認すると、17時30分をさしている。


靴を脱いでリビングのドアを開ける。


「なんでお父さんいるの?」



「いちゃいけないのか…陽依…しくしく」



お父さん…きもちわるいよ。それ。


そんな感情を言葉にすると、お父さんはもっと気持ち悪くなりそうだったので言うのはやめといた。



「いちゃいけなくはないけど…いつもこの時間まだ仕事でしょ?」



「今日は取引先との会合だけだったから早かったんだ!そうだ陽依、今日の晩ご飯俺が作ったんだぞ!」


えっへん!と言わんばかりにお父さんは胸を張った。

お父さんの料理っておいしいんだけど…盛り付け方が…ワイルドすぎるっていうか雑っていうか…。


「お父さん、陽依も学校から帰ったばかりで疲れてるんだからそれぐらいに…陽依も着替えてらっしゃい」


庭の方からお母さんの声が聞こえた。


「お父さん、ちょっとこっちに来て洗濯物たたむの手伝って!」


「はーい」


お父さんはうれしそうにお母さんの元へ走って行った。