藤井先輩と私。



「陽依!あんたが甘いものに目がないのは知ってるけれど、ここまで自分にも甘いなんて知らなかったわ!」


すごい剣幕です、ユカ様。


「Love is war!恋は戦争ヨ!そんな甘っちょろい装備じゃ、すぐに負けてしまうヨ!」


今日からジュディ様と呼ばせていただきます。



「だって…私…先輩に嫌われちゃったもん。今さら近づけないよ…」


ため息交じりに言う。



「「はぁ!?」」




女子のほとんどいない教室に、ユカ様とジュディ様の声がこだまする。



「陽依ってば……」


「ユカ、これってjokeでなくマジ発言ですノ?」



ユカはあきれたように頭を抱えて、ジュディは意味が分からないというようなジェスチャーをしている。




「どうしたの?二人とも」



「“どうしたの”ってあんたがそれを言う!?」


「ジュディ、初めて鈍感という言葉をちゃんと理解できたデス」



ユカは、頭をかかえたまま、「なんで嫌われてるって思ってるわけよ。ばかばかしいけど一応聞いとくわ」と半ば投げやりに言った。


そんな嫌々聞かれてもなぁ。

話すことを躊躇してると、ジュディが「早く話す!!hurry up!」


私は、しかたなく藤井先輩との一連の話を二人に話すことにした。



「えっと…おとといね…」