藤井先輩と私。

…さ、避けられてる!?




これは避けられてるよね。

いくら鈍いって言われる私にだって分かる。

あの気まずい顔で、無理矢理な台詞。


私の事…嫌いになったのかな。


ううん。



最初から好きじゃなかったのかも。


私があんなこといったから、先輩もう私と関わるの面倒になったんだ。


そうだ…きっとそう。



どうしよう…。



泣きそうです。



目が合ったのに、なにもしゃべれなかった。


好きだって分かったのに、なにもできなかった。



楠木さんは私に藤井先輩の幸せを任せるって言ったけど、だめだよ。

私には荷が重すぎる。


藤井先輩を幸せになんてできっこない。



嫌われちゃったんだもん。



頬を伝う涙を右手の甲で拭うと、重い足取りで家路についた。