藤井先輩と私。

 


ジュディのプル艶くちびるでした!

あーよかった。

レオさんのじゃなくって。


ほっと胸をなでおろしていると、クラス中からブーイングと爆笑が巻き起こっているのに気づいた。



『生ちゅー見たかった!!』


『そこは普通、レオの方とチューするだろ!』




隣に居るユカも、おなかを押さえて笑っている。


ジュディとレオも、立ちあがり笑っていた。


さっきまでの険悪な空気はどこ吹く風。

もうラブラブに戻ってるし、よかったよかった。



それからすぐに、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、レオと隣のクラスの人々は、名残惜しそうに自分のクラスに帰って行った。


ジュディは、両頬を両手で押さえて「ヒヨリ!ユカ!!」と私達の名前を呼んで興奮したように浮かれた。



「よかったね!仲直りできて」

「あんなハンサム彼氏に愛されて羨ましいわ」


「ありがとう!二人とも!」


私達、結局何もしてないんだけれど、ジュディは目じりに涙をためて、何度もお礼を言う。


「レオさんともう喧嘩しちゃダメだよ!」


「Of course!もう絶対しないデス!もう二人の愛は不変なのヨ」


目を輝かせてそう言うジュディになんだかまた可笑しくなって、私とユカは笑った。






「あれ?あれ楠木さんじゃない?」


ふと廊下の方を見たユカが私の肩を叩き指差す。


「なんかこっち睨んでるみたいだけど。…というより、陽依を睨んでるわよ」


「え…」



一難去って、又一難とはこのことだ。


楠木さん、今度はいったいどうしたんだろう。


楠木さんの方を向くと、ギンっと睨まれ、プィっと顔をそらして楠木さん去っていった。




「なんか用事があったみたいだけど、この騒ぎで声がかけづらかったみたいね」



あんなに睨むなんて。


こ……怖すぎる。