藤井先輩と私。

 

それにつられて、クラスの男子や女子も一斉に笑い始めた。


「Why do they're laughing?(どうして彼らは笑っているのですか?)」


「レオの日本語がおかしいからに決まってるデス!」


ジュディにキツく言われ、レオはしゅんと肩をさげた。


身長が高くて、ジュディと同じ金髪で、目は青くて、思いっきりハンサムなのに、こうしゅんとされると、可愛く見える。




「ボクは、日本に…く…来る?ために、一生懸命ベンキョした」



「どうして?私は帰らない!アメリカにはまだ帰らないデス!dream…夢なノ!」



ジュディは、レオに背を向けて、「1人で帰って」と冷たく言い放つ。

でも…、その目は少し潤んでいて、本心でそう言ってるわけじゃないって、なんとなくだけどわかった。



ジュディは、きっとどうしていいか分かんないんだ。

多分、アメリカに居る時と、日本に居る時と、レオに対する想いは変わってないと思う。

でも、レオの気持ちには答えられない。

そんな葛藤が今、ジュディの中で起こってるんだ。




「ボクは、Judyをつれ…帰ろうなぞ思ってないで…ス」


「えっ!?」



レオは、後ろを向いたままのジュディを背後から包み込むように抱きしめて、そっとつぶやいた。









「ボクもJudyと一緒に…ずっといるため、りゅがくしたんデス」




「Leo…」



レオは、ジュディを連れ帰るためじゃなくて、一緒にいるために…一緒の時間を共有できるように、一生懸命日本語を勉強したんだ。

愛の力って本当にすごい。

なんか感動しちゃった。