藤井先輩と私。

えくすきゅーずって…


この発音のいい英語は…。



「Leo!」


「oh!Judy!Listen to me!」

流暢な英語…やっぱりネイティブは違うなぁ。


「I'm not talking to you!」


クラスで突如始まった英語での喧嘩に、クラス中の子たちはおろか、隣のクラスの子たちまでのぞきにきてるし。



止めようにも、英語が話せないので、止めれるわけもなく。

私とユカはおどおどするばかり。



「どーして分かってくれないデスカ!私は日本に留まるネ!ふん!日本語でしゃべっても分かんないでしょ!バーカバーカ」


ジュディは、レオが日本語を話せないのをいいことに、日本語で罵り始めた。

バーカって…小学生?

思わず笑いそうになっていると、











「ボクはバカじゃない…デス!」




たどたどしいけれど、レオは日本語を話した。


ジュディはハーフで、日本人の面影は少しはあるけれど、レオは純粋なアメリカ人。

その口から、日本語が出てきた事に、私とユカは驚いていた。


私とユカがこんなに驚いているんだから、ジュディの驚きは半端ないと思う。



「Why…ど…どうして…日本語…」



ジュディは口をあんぐりと開いて、レオを指差して目を見開いていた。

相当ショックが大きかったらしい。



「an...べんつう…した」



便通!?



「レオそれを言うなら“勉強”ネ」


「that's right!ベンキョしたデス」


なんだ。勉強だったか。

ハンサムボーイのお口から“便通”という単語を聞くのは、なんだか面白くて私はつい「ぷぷっ」と吹き出してしまった。