心なしか、ジュディを取り巻く空気がより一層ドヨドヨしてる気がする。


朝のHR終わりのチャイムが鳴ると、女子の一部は隣のクラスに走って行った。

数秒後に、キャーという黄色い声が響いていたから、やっぱりイケメンだったらしい。


「陽依、あんたは見に行かなくていいの?」

「私、あんまり興味ないし、ユカは?」


ユカは委員長を指差し、「貴光いるから間に合ってる」と笑った。


「あはは、そうだね」




「でもジュディといい、今日来た留学生といい、妙な時期に留学してくるもんね。留学生ってこういうもんなのかしら」


それもそうだ。

来るなら、4月とかじゃないかな。

まぁ、いままで留学生が来たこと無いからわかんないけどね。


「よし、気になるから、ジュディ本人に聞くわよ」


「え?いまから?」


「おバカね。昼休みよ。今からじゃもう授業始まるでしょ」


「あ、そうだね」


ユカは授業の準備があるからと、自分の席についた。

「あ、ユカに言いそびれちゃった」


昼休みもいえそうにないなぁ。

まぁいっか。





それからあっという間に、午前の授業が終わり、お昼休みになった。


あれからジュディのテンションは上がる事はなく、終始自分の席でじっとしてた。


いつもはジュディの周りに集まる男子たちも、今日は近づきにくいみたい。


私とユカは、お弁当と水筒と自分の椅子を持ってジュディの席へ向かった。



「ジューディ♪一緒にランチ食べよ」

「机一つに3人って狭いけどいいよね!?」


できるだけテンションを上げて声をかけてみたけれど、ジュディは弱々しげな笑顔をむけただけだった。