「おはよう!」


「おはよう、陽依。なんかスッキリした顔してるわね」





自分の気持ちに気付いた昨日。

それからなぜだか胸の中のモヤモヤが消えて、気分がスッキリした。

そうだ!このことユカに報告しなきゃ。
ユカが梶瀬君にお願いしてくれたおかげで、私やっと藤井先輩への気持ちに気付くことができたんだし。
 


「あ、うん!あのね!!わた…「ヒヨリおはよでーす」


どよどよとした空気と共に、やつれたお顔のジュディが教室に入ってきた。

会話を中断してしまったけれど、私の報告よりも、なんだかジュディの方が心配だ。




「どうしたの?ジュディ」


「……追いかけてきたデス…」


「へ?」


うつむいたまま小さな声でそう言ったジュディは、私とユカの間を通り抜けて席に着いた。


「どうしたのかしら?いつもなら朝からテンションMAXよね」

ユカも心配そう。



“追いかけてきた”ってどういう意味だろう。



そう考えていると、キーンコーン…と朝のHRを知らせるチャイムが響き、教室に担任が入ってきた。


「おーい、お前ら席つけー」


教室中でおしゃべりしていたクラスメイトが次々と席に着く。


みんなが席に着いたのを確認した委員長は、「起立…してください」と語尾を小さめに言う。

「礼」

「「おはようございます」」


委員長がイメチェンしてから、クラスのみんなは委員長の言う事にしたがうようになった。

すごい進歩。