藤井先輩と私。

 


先輩も驚いてる。


どどどどどうしよう。


心臓はバクバク言ってるし、これ以上近づかれたら私死んじゃうかもしれない。


もしかしたらこれって病気なのかも。

すごく珍しい病気なんだ!きっと!


ほっぺがこんなに熱いのも、胸が苦しいのも全部…。





「ひ…陽依?」



「呼ばないで!!」



名前呼ばれたら…私……わたし!






「そっか…ごめんな…」










先輩?


私に伸びていた先輩の長い影がどんどん遠ざかっていく。



「せんぱい…」



「ごめんな?…迷惑やったな…ほんまごめん」




先輩はそれだけ言うと、教室から去って行ってしまった。