「よっ…」
扉の所には藤井先輩が立っている。
あっ…さっきの忘れ物取りに来たのって私の勘違い!?
先輩だったの!??
「話があるんやけど…」
うそウソ嘘…どうしよう。
私どんな顔して先輩に会ったら、ていうかもう私振り返っちゃってるし。
ユカ、委員長…たすけてよーーー。
頬をポリポリとかきながら、先輩は「陽依?」と私の名を呼ぶ。
かああぁぁぁ…
なっ…名前を呼ばれただけなのに、ほっぺが熱い…。
なんで?
ドクンドクンドクン…
鼓動がどんどん速くなってってる。
どうして?
藤井先輩は一歩教室に足を踏み入れて、私に近づこうとする。
「まっ待ってください!」
自分でも驚くぐらいの大きな声が口から出た。

