藤井先輩と私。

ユカがいたずらっぽく笑う姿を見て、私はすぐに悟った。


「もしかして、あぁなるって分かっててあのヒントを試させたの?ユカ」


ユカは満面の笑みで大きくうなずき、


「あぁなるってどうなったのよ」


「えっと…そのー」


「まぁいいわ。それで気持ち分かったんでしょ?」



きもち?

あのもやもやした気持ちの正体……。




「もしかして…陽依分かんないの?」



私は首を縦に振る。



「はあぁ!?」


あきれ顔のユカ様。


そしてどんどん眉間にしわが寄って行き、うちのお母さん並みの般若のようお顔に変わっていく。


「まだ分かってないの!?」


「すいません」



「鈍感過ぎる…逆に天然記念ものね…」


「えへへ、そうかな」


照れて笑うと、頭をぺシッと叩かれて、褒めてるんじゃないと怒られた。



「もうユカ、教えてくれたっていいじゃない!知ってるんでしょ?ユカはこの気持ちが何なのか」


「そりゃ知ってるわ」


だったらなんで教えてくれないの!


「私が教えて、はいそうですかって分かるような…そんな気持ちじゃないの」

「えっ?」




「あんたが自分で気づかなきゃ意味ないの」




ユカはそれだけ言うと、委員長の席にいってイチャつきはじめた。



私が自分で気づかないと意味がない?


どういうことなの?