藤井先輩と私。

陽依sideに戻ります。




「陽依、起きなさい」


「ん…まだ…寝るも……ん」


「なぁに寝ぼけた事言ってんの!もう7時半よ」


「まだ7時半じゃん…夏休みなんだし…」



私は剥がされた布団をひっぱり戻すと、枕に顔をうずめて再び眠ろうと目を固く閉じる。


「夏休みは昨日まででしょう!?今日から学校じゃないの?」



「…………えっ!!」


今日から学校!?


私は、ベットからすぐに飛び起きて、壁に掛けられているカレンダーを見た。

カレンダーは8月のまま。


「お母さんの嘘つき!まだ8月じゃんよ」


お母さんは、片手を腰にあて、もう片方の手を頭にそえると、



「これは剥がしそびれただけよ。今日から9月よ」


………。



うそーん。



「お母さん、今何時?」


「だから、7時半よ」


しちじはんですとぉー!


朝ごはん食べる時間ないじゃん。



すぐに私は、顔を洗って、食パンを焼かずに口におおばって、牛乳をのどにながしこみ、制服に着替えた。

「よし!あとは鞄に持ってくもの詰めるだけだ!」



机に散らばったファイルや、宿題を無造作に鞄につめていく。