どうして逃げたんや。


もしかして、あの目を閉じたのは、きすじゃなくて…別の意味があったんか!?

そしたら、俺とんだ勘違いヤローの変態男やないか!



うわぁ…ほんまにへこむわ…。


陽依とのキス、ほんまは嬉しいはずなのに、嬉しくもなんともない。


なんでやろ。


胸がこうチクチクと痛む。



「俺、やらかしてしもたー」



謝るべきなんかな。


それとも……。



あーもー、ぐちぐち悩んで俺ってどこまでもヘタレやな。


頭を抱えてしゃがみ込む。


次、陽依に会った時どうすればいいんだろう。


ていうか、次会えるかどうかさえも危ういな。




………帰ろう。


帰って、頭冷やして、もう少し考えよう。




俺は、よたよたと帰路についた。


後悔先に立たず、このことわざが今日の俺にぴったりや。