ふわりと、甘い香りがして、私と先輩の唇が柔らかく触れ合う。
優しくうかがうような慎重なキス。
先輩の優しさが伝わってくる。
“なにしてるデスカ…ヒヨリ”
“協力してくれる…あれウソデスカ?”
!!!!?
ドンッ
私は勢いよく先輩の胸を押して突き放した。
「陽…依…?」
先輩は驚いた顔でこっちを見てる。
「わ…私…わたし……ごめんなさい!」
私は、無我夢中で家まで走った。
走って、走って、走って…。
頬に伝う涙に気付かないまま走った。
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