「恋愛発展率…15%ね」


ぼそっと楠木さんは呟くと、私の方に振り返り、


「あなたは大丈夫みたい。藤井先輩に近づいてもいいわ、でも近づきすぎはダメよ」


と意味不明な言葉を言って、一瞬でブルーシートを片づけて嵐のごとく去って行った。




残されたのは白いベンチと私。



「…ぐぎゅるる~」




静かな校舎裏に、私のおなかの音が鳴り響いた。





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「いいんですか?楠木会長、彼女をほおっておいて」

「いいのよ。彼女は危険分子ではないわ。このお姉様の特製心理テストを疑うつもり?」

「滅相もありません」


前藤井ファンクラブ代表取締役会長楠綾女(クスノキ アヤメ)。
つまり楠木江梨香の姉が、作り上げたものがその心理テスト。


何を根拠に作ってあるのかは不明だが…。

このテストで、藤井との相性を占い、その確率が高いものを排除しているらしい。

「藤井様はみんなのもの。このきまりは死んでも守り抜く、お姉様との誓い忘れませんわ」