「あなたは、藤井先輩をどう思ってるの」
顔は笑ってるのに、目は笑ってない。
楠木さん…目も笑ってください。
「あなたは、藤井先輩のこと好きなの?」
藤井先輩は、昨日の放課後と今日の朝、少し話したぐらいだ。
今まで会ったことも、話したこともなかった。
どう思ってるの?って聞かれても、なんて答えていいかわからない。
好きなの?って聞かれても、先輩のこと何も知らないし。
「えーと、藤井先輩とは面識も浅いので、好きとかそういうこと考えたことないです」
そう言うと、また後ろの子たちはペンをとり、サラサラとノートに私の言葉を記す。
「分かりました。2人とも結果を教えて」
楠木さんは、後ろを振り返り、2人のノートをチェックした。

