掴んでいたものは、角ばった男の人の手。
いったい誰のだろう…。
「「あっ」」
私と、その掴んでいた人の声が重なった。
「委員長…じゃなかった小西君」
「こんなところで会うなんて珍しいね」
委員長も図書館に宿題しに来たのかな。
私と同じで、今宿題やってるんだろうか。
もしかしたら、見せてくれないかなぁ~。
数学とか数学とか数学とか。
「あの~…、俺はただ読書に来ただけなんだけど…それと宿題は持ってきてないんだごめんね」
また私の心の声がだだ漏れしていたみたい。
「あ、この本読むの?俺他の探すから」
委員長から本を受け取る。
「読むっていうか…読書感想文?」
「どっ読書感想文!?」
結構大きな声でそう言った委員長は、自分の口をばっと抑える。
「そんなに驚かなくても…」
「いや、だって今日28日だよ?終わるの?」
委員長はすごい焦った表情で私を見た。
なんだろう。
私より焦ってる。
「今から頑張る」

