「それじゃあ、私帰るね!」
「そう?帰り道、気をつけなさいよ」
「うん!じゃあ。委員長、ユカお祭楽しんでね!」
私はユカ達と別れると、足早に家路についた。
家に帰ると、お母さんは「あら?ずいぶん早かったわね」と夕飯の準備をしている所で、お父さんは私が帰ったのを確認するといそいでカメラを持ち出してきた。
「陽依!お父さんと写真取るぞ」
三脚を立てながら楽しそうにカメラの準備をする。
なんだか、そんなお父さんの姿をみて、今日の悲しい気持ちが半減した。
家族っていいね。
「ほら、母さんも」
「もう!忙しいときに…」
そう言いながらもお母さんはエプロンを外して髪の毛を整える。
そして、少し崩れた私の浴衣をなおしてくれた。
「よし、撮るぞ!」
シャッターボタンを押すと、急いで私の隣に立つ。
ピピッ、カシャッ
「じゃあ、私着替えてくるね」
「まだだ!あともう一枚」
「えぇー」
それから、数十枚も写真をとった。
楽しかったからいいけど、さすがに疲れるよ。

