広場に着くと、空いているベンチに座った。


私の隣にユカ、ユカの隣に委員長。


「…ゆっくりでいいから、何があったのか、どうして泣いてるのか教えて?」


「あの、俺どっかいってようか?俺いないほうが…」


私は首を横に振った。

これ以上委員長に気を使わせたくない。

2人の時間を奪うわけにはいかないもの。


「陽依?」




ユカに背中をさすられて、涙もおさまってきた私は、深呼吸をして呼吸を落ち着かせた。










「あのね、ユカ。私変なの」


「あんたはいつも変でしょ?」


からかうように頭をたたくユカ。


「違うの!」


「ごめんごめん。冗談よ」


ユカはにっこり笑う。

さっきまで、激しく動いていた心臓がゆっくりと脈を打ち始めた。

ありがとうユカ。


「今日ね、私先輩と2人でお祭にきたの」

「そうなの!?私知らなかった…あれ?その肝心の藤井先輩は?」


ユカと委員長は周りを見渡す。


「ったくアイツ、陽依をほったらかしてどこほっつき歩いてんのかしら!」

「もしかして、橋宮さん、その先輩となにかあったの?」


委員長の穏やかな口調に、私は首を縦に振る。