声の方を振り返ると、そこには



「橋宮さん?大丈夫?」

「どうしたの陽依!?」



委員長とユカが立っていた。


2人の顔を見た瞬間、なんだかいろんな押しこめていた気持ちがこみ上げてきて、涙があふれる。




「ふぇ…ユカぁ~」



「何?どうしたの?泣いてちゃ分かんない」



私は、優しく抱きしめてくれるユカの胸で、周りの目も気にせずにわんわん泣いた。


しばらくして、涙が落ち着いてくると、


「ここじゃあれだから、広場の方いこう?」

と、ユカが人気の少なくなった駅前の広場を指差した。


「…ひっく……うん」


とぼとぼとした足取りで、ユカに支えられながら歩く私。

隣ではオロオロと心配している委員長の姿。


ごめんね。ユカ。

せっかく2人っきりのお祭だったのに。


そう思うと、泣いている自分が情けなくなって、また涙がでてくる。



「何心配してんの?あたしらは大丈夫よ。ね?貴光」


「あぁ、祭りより、橋宮さんのほうが心配だよ」


私の気持ちを悟ったのか、ユカと委員長は優しく私に言ってくれた。