私と先輩が一緒にお祭行こうねって話しあって、計画立てて、約束したのに。

でもうれしそうにバイバイって手を振って去って行くジュディに、本当のこと言える勇気は私にはなかった。



浴衣…お母さん一生懸命着付けてくれたのにな。
髪型も、全部。


まだヨーヨーもすくえてないし、射的で競争もできなかったな。



私は、駅の方へ、もと来た道を戻り始めた。


道行く、人たちの笑顔が眩しい。


なんで私ひとりなんだろう。


なんで隣に先輩がいないんだろう。





「………っく…」


あれ?


なんで私、泣いてるの?


なにが悲しいの?




分かんないよ。















「陽依!?」





屋台裏から表に出て、少し進んだところで、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。