ちょこん。
広げられたブルーシートに「さぁさぁ」と流されるように座らされた私。
「私、一度橋宮さんとお話してみたかったの!」
弁当箱を開けながら楠木さんは言う。
「は、はぁ」
「聞きたいことがあるんだけど…いいかしら?」
「ど…どーぞ」
何聞かれるんだろう。
「今まで付き合った人の数と、失恋数、初恋の相手の見た目と性格、今好きな人の有無、好きな異性の仕草、言葉、好きな恋愛小説のタイトルと内容、好きなタイプを教えてくれるかしら」
マシンガントークならぬ、マシンガン質問。
最初の質問が思い出せない。
「えー…っと」
「時間はいっぱいあるわ、ゆっくりで構わないのよ」
楠木さんの顔は終始笑顔で、逆にそれが恐ろしく感じた。

