「えぇーと…次は、藤井先輩にたいへん恐れ多いですが、言いたいことがあるので聞いてください」


ふぅ…。

深呼吸、深呼吸。



「陽依、遠慮せんとなんでも言ってくれ」


藤井先輩は優しく微笑む。


「先輩は、パパさんの事本当に嫌いなんですか?」


「嫌いや」


微笑みが一変、無表情…というより悲しげな顔に変わる。


「本当に嫌いなんですか?」


「ほんまに嫌い」


「質問ばかりでごめんなさい。…じゃあ、なんでインテリアデザイナーになりたいって思ったんですか?」











これは私のカケ。

でもきっと、多分、絶対…そうだと思うから。



「いつから、インテリアデザイナーを目指したいって思ったんですか?」



その私の問いに、先輩は一瞬ハッとした顔になり、また悲しげな顔になった。



「小さいころからの夢やねん」


ぽつり、ぽつりと語る先輩。


「…物心ついたころからやったかもしれへんし、もっと前からなりたいって思ってたかもしれへん」



夢を語る先輩はいつも悲しげ、夢ってやっぱり目を煌めかせて笑顔で語ってほしい。

今日をその一日目にしてもらいたいから。



「先輩は、うそつきです」



「大うそつきですよ」



「…なんでや?」