「逃げても無駄じゃ!」
「ひっ…」
じりじりと詰め寄って来る楠木さん。
ガコン…。
背中が欄干に当たった。
もう後退できない。
「さっさと罰受けたらどうですの?」
ヤンキー音域でお嬢様言葉は逆に怖いですよ~。
「えーと、遠慮…「強制じゃごるぁ!」
いつのまにか、私と楠木さんとの距離は1メートルも無かった。
私の目の前にいる楠木さんは、不敵の笑みを浮かべて手を振り上げる。
やられる!
殺される!
撲殺されるぅ!
パサッ
ん?
ぱさっ?
思わず閉じた目をゆっくりと開けると、
「さっさと踏めや」
と楠木さんが下を見て言う。
「…………ん?」

