「本当に妹さんですの?」
「はい!直接聞いたので本当です」
何度も聴き直してくる楠木さんに、正直に何度も同じことを言う私。
「ハッ…もしかしたら…、えぇ…絶対そうに違いないわ…」
楠木さんは突然何かを思い立ったように、持たれてしゃがみこんだ。
え?
妹じゃないって分かって喜ぶべきなのでは?
なぜさらに落ち込んでいらっしゃる?
楠木さんの不可解な行動。
「ど…どうしたんですか?」
おそるおそるそう聞くと、
「これは…これはあくまで仮説…なのだけれど…」
と前置きを置いて、深刻な表情になり口をつぐんだ。
「なんですか?」
「禁断の愛というものじゃないかしら…あぁ…言ってしまったわ…」
禁断の愛!?
「それって?」
「実は藤井先輩には血のつながらない妹がいたのですわ。…幼いころからずっと一緒にいた2人。血の繋がらない2人だけれど、お互いに兄妹と認め想い合っていた。いつしかその思いは『家族愛』から『恋愛』へと変わっていく。その気持ちを抑えるべく藤井先輩は、妹のいる大阪を離れて、ここへ。それを妹が追って来たんですわ!そうに違いありませんわ!…まぁどうしましょ…」
「ちょっとストーップ」
禁断の愛って…。
んなわけない!

