「アンタやっばいの敵に回しちゃったねー」


朝のHRあとの休み時間になった瞬間、隣の席のユカこと本原柚果(モトハラ ユカ)はこう言った。


「やっばいのって?」


たしかにあの子、強気な子だったけど…そんなにヤバい子にはみえなかったけど。

隠れ肥満ならぬ隠れヤンキー!?


もしそうだったら…私…。


殺されちゃうかも!!


「なに百面相してんのよ」

ユカは私の頬をつつく。


「あんた知らないの?あの子が一体だれなのか!」


見たことはあるけど…名前とか思い出せない。
だって、まだ入学して3カ月だし。

クラスの子たちの名前をやっと覚えられたのに、他クラスの子まではちょっと。


「知らないよ?誰?」

「あの子はね…」