「あれ、マンションなんですか?」 「えぇ」 マダムは笑って去っていく。 すごいおっきなマンションだ。 藤井先輩って一体何者なんだろう。 おっと、ぼーっとしてる場合じゃない。 私は、マンションの前まで走る。 やっと着いた。 けど、肝心なのはこれからだよ。 すぅっと息を吸って、ふぅと息を吐く。 走ったせいで上がった心拍数を、深呼吸でなんとか落ち着かせると、マンションの入り口まで歩く。 ウィーンと自動ドアが開き、意を決してマンションの中に突入… ドーーンッ できなかった。