藤井先輩と私。

学校帰りの中学生の群れ。

犬を散歩しているおばさん。

橋のところで、のんきに釣りを楽しむおじいさん。



…の横を走り抜ける私。


一生懸命走ってるよ。

体育の成績そんなに良くないから、スピード全然出てなくて、汗ばかりが出る。


うわ…今の私相当汗臭いな…。



ふと電柱に書かれている町名を見る。


≪○△町≫


手元の住所を見る。

≪○△町マンション名:クローバーシティ≫


この町だ!


あとはクローバーシティっていうマンションを探さねば…。


まわりを見渡すと、あれまぁ…マンションだらけ。

ベッドタウン!?


小さいマンションから、大きなマンションまでいっぱいある。

このなかからクローバーシティっていうマンションを見つけるの大変そう。


自分で探すより、誰かに聞いた方がいいかも。


誰か通らないかな。


あっ、お買い物帰りのマダムがいる!

あの人に聞こう!







「あのっ!すいません。お聞きしたいことがあるのですが」

「あら、何かしら?」

「クローバーシティっていうマンション分かりますか?」

「えぇ、知ってるわ。ほら、あれよ」

そう言って、マダムは指を高く空を指差した。

その方を見ると、高層ビルがある。

マンションの高さの域を超えている。