先輩は、正座している子たちに、教室戻ってええで、と言いながら一人ずつに謝った。



これでやっと、落ち着く。

誤解も解けたし、先輩も正座してる子たちに謝ったし。

一件落着。




かと思いきや。



「先輩!!陽依さんに告白したってほんとなんですか!?」

正座していた一人が、キッと私を睨み人差し指をこちらに向けて言い放つ。


きっとユカが言っていた藤井ファンの一人。

他クラスだということは知っていたけど、名前は分かんないな。


「先輩!答えてください」


藤井先輩は、詰め寄る藤井ファンA(仮)を見て、私を
見て?、誰もいない廊下の先を見ると、


「かっ関係ないやろ~~~~っ」


と全力で走り去っていった。


藤井ファンA(仮)、私はポカーン。






「なにしとる、教室入れ橋宮。おい、楠木もクラス戻れ」


茫然としていた私達を、現実に引き戻したのは、担任の声だった。