藤井先輩と私。

それから何事もなく授業や昼休みやHRが過ぎていき、放課後になった。


「陽依ごっめーん」


私の目の前で、頭をさげて両手を合わせるユカ様。


「ん?どうしたのユカ」


「実は今日、貴光と2人で…その図書館に…」


「ははーん。図書館デートですかな?ユカ」


「っただ2人で本を借りに行くだけよ…だから今日一緒に帰れないのよ…ごめんね」


そう無理矢理な言いわけをしたユカ様は、委員長のもとに走っていきました。


もう別に私にいちいち断り入れなくてもいいのに。

2人は付き合ってるんだから一緒に帰ったりしていいんだよ?

私は一人で帰ることそんなに苦じゃないしね。


ユカと委員長が図書館へ向かうのを確認すると、私も机の中の教科書たちをカバンにしまい、廊下に出た。


下校する子たちの群れが廊下に散在している。

女の子たちの顔はどれも深刻そう…。

一体どうしたんだろう。

いつものギャル集団も、小さな声でぶつぶつと何かつぶやいているくらいで、全然騒音被害を出していない。


不思議に思いながら歩いていると、目の前を楠木さんが通りかかった。

ちょっと怖いけど聞いてみよう。