藤井先輩と私。

 
「おととい美容院でたあとさ、本原に好きだって伝えようと思ったんだ。外見が変わったことで、なんか自分に自信が持てたっていうか勇気がわいたっていうか、いまなら伝えられるって思って」


ユカは恥ずかしそうにうつむいてる。



「言おうと思ったら、本原走って帰っちゃうし…。朝も話しかけようとか思ったけど、いろいろ邪魔が入って言えなくてさ。放課後橋宮が俺と本原を2人きりにさせてくれただろ?その時に、本原が俺に……」


そこで委員長は黙ってしまった。


え?続きは?


おーーーーい。



ユカが委員長になにしたの?



「委員長?」


今度は委員長が恥ずかしそうにうつむいた。



「続きは私が言うわ」


そう言ってユカは自分の両手で頬をぱちぱち叩くと、大きく息をすって吐いた。


「放課後2人きりになって、委員長に謝ろうと思って…、ごめんなさいって言おうとしたのよ。でも私…」


「でも私?」



「他の子見ちゃヤダって……すごい子供っぽいこと言っちゃった」




ツンデレユカ様、デレの方降臨いたしましたーーー。



「それで俺、思わず本原のこと抱きしめてしまって…そのまま想いを告げた」



なるほど、それで抱きしめあってたんだね。



「もういいでしょ!ほれ席戻りなさい、陽依」


「えー」


「HR始まるわ」


「ほいほい」


「貴光も。あんた委員長でしょ?」


「俺もか。じゃまた」


委員長と私は自分の席に戻った。


最後のユカの口からでた委員長の下の名前を聞いて、私はユカと委員長が付き合い始めたことを改めて実感する。


やっぱり付き合ったら、下の名前で呼ぶのかな?




そう言えば、藤井先輩の彼女も、先輩のこと名前で呼んでたっけ。


 
………。

なんで先輩が出てくんのさ。