藤井先輩と私。

「待ったか?」

「いえ、先輩足早いですね」

先輩は自分の靴を持って私の靴箱にやってきた。

二人で玄関で靴をはき、外に出る。

「あっついなー」


「はい」


「もうすぐ夏休みやもんな」


「はい」


「ほな、行くか」


先輩の隣を歩く私。

いいのかな。藤井ファンクラブ。

楠木さんが望遠鏡で私達を観察してそうで怖い。

でも、私と先輩はの関係は、恋愛関係じゃない。

「私」と「先輩」の関係。


「陽依、夏休み予定あるか?」

「…いえ、まだないですね。ユカと遊びに行ったり、祭行くぐらいしか予定ないです」


「そうか。祭3日間あるけど3日ともユカと一緒に行くんか?」

「いえ、1日だけですけど」


それからしばらくたって、先輩は恥ずかしそうに頭をかきながら
「じゃあ、俺と行かへん?」
と言った。

「いいですよ」

先輩といると楽しいし、祭は何回行ってもわくわく感は減ることはない。

「ほんまか?」


「はい!毎年1回しか行かなかったから、回れないところもあって、先輩こそいいんですか?私で」


「良いも悪いもない!よっしゃ!」

先輩はガッツポーズすると、校門へスキップしていきました。

「待ってくださいよ~先輩」

置いて行かれないように慌てて追いかける私。