そのころ、校門では――――
『あのこ可愛い~』
『中学生かな』
『なんか誰かに似てない?』
校舎から出ていく生徒たちは、校門の前に立っている少女を見ると口ぐちにこんなセリフをつぶやいていく。
「おい、お前ナンパして来いよ」
「俺かよ。わーったよ。行けばいいんだろ?」
一人の無謀な若者が、その少女に近づいた。
「あのさ、君中学生?可愛いね?暇ならさ、俺たちと遊ばない」
「あそばない」
即答。
「えっ?誰か待ってんの?」
「…………」
「ねぇ、聞いてる?」
「ネチネチうるさいんじゃボケ。それ以上私に話しかけたらどつくぞ」
上の方で結われたツインテールを揺らして、仁王立ちし、ナンパ学生をきりっと睨み上げる少女。
「もう下校時間過ぎてるし、誰も出てこないんじゃないかな」
ひるまないナンパ学生。その頑張りに拍手をおくりたい。
「チッ」
少女は舌打ちをすると、またナンパ男を見上げて
「私は、藤井悠太の彼女や。大阪から会いに来てん!待っとるんやから、ゲス共に興味ない。消えさらせ」
とコテコテの関西弁を話した。
ナンパ学生は、「藤井のかよ」とつぶやくと、友達と去って行く。
ナンパ学生が去ってもなお、校門前で仁王立ちする少女は、静かにこう言った。
「やっと見つけたで、藤井悠太」
少女の目は妖しく光っていた。
まるで、獲物をとらえる肉食獣のように。
『あのこ可愛い~』
『中学生かな』
『なんか誰かに似てない?』
校舎から出ていく生徒たちは、校門の前に立っている少女を見ると口ぐちにこんなセリフをつぶやいていく。
「おい、お前ナンパして来いよ」
「俺かよ。わーったよ。行けばいいんだろ?」
一人の無謀な若者が、その少女に近づいた。
「あのさ、君中学生?可愛いね?暇ならさ、俺たちと遊ばない」
「あそばない」
即答。
「えっ?誰か待ってんの?」
「…………」
「ねぇ、聞いてる?」
「ネチネチうるさいんじゃボケ。それ以上私に話しかけたらどつくぞ」
上の方で結われたツインテールを揺らして、仁王立ちし、ナンパ学生をきりっと睨み上げる少女。
「もう下校時間過ぎてるし、誰も出てこないんじゃないかな」
ひるまないナンパ学生。その頑張りに拍手をおくりたい。
「チッ」
少女は舌打ちをすると、またナンパ男を見上げて
「私は、藤井悠太の彼女や。大阪から会いに来てん!待っとるんやから、ゲス共に興味ない。消えさらせ」
とコテコテの関西弁を話した。
ナンパ学生は、「藤井のかよ」とつぶやくと、友達と去って行く。
ナンパ学生が去ってもなお、校門前で仁王立ちする少女は、静かにこう言った。
「やっと見つけたで、藤井悠太」
少女の目は妖しく光っていた。
まるで、獲物をとらえる肉食獣のように。

