藤井先輩と私。

そして放課後。

私はHRの前に小西くんに教室に残るように伝えたから、教室には小西くんがいる。

椅子に座って読書してるみたい。

私は教室の廊下のしたに座って、小西くんからばれないように中をのぞいています。

「ユカなにしとんねん」









はい。隣には藤井先輩がいます。
心配だから来たんだって。


「一人で気合い入れてるみたいです」

「そーか」

ひそひそ声ではなす私たち。


HRが終わった後の教室は大変だった。
今は教室に小西くんしかいないけれど、つい数分前までは小西くん女子軍団に囲まれていて、学年主任の先生に騒ぐなと怒られるまで、小西くんの周りを黄色い声をあげて騒いでいた。


「おまたせ」


振り返るとユカ。


心の準備ができたらしい。

「行ってくるわ」

ユカは、一度深呼吸をすると、小西くんの待つ教室へ歩いて行った。

私と藤井先輩は小さな声で「ファイト」とユカにエールを送る。

そして窓辺から教室をのぞいた。


夕日に照らされた教室は、2人の顔までも赤く染めていた。


「うまくいきますよね先輩」

「ああ、絶対うまくいく」


私たちは、ことの次第を食い入るように見守った。