先輩は、腕を組みため息を吐きながら周りを見渡して…。

私と目があった。


「あ、キミ!もういじめっ子らは、俺がしばいとったさかいな。これで安心やろ」



私はおずおずと、先輩の前に行く。


「あの…私、いじめられた覚えないんですけど」


あそこまで怒らしておいて、申し訳ないと思ったが、藤井ファンらしき女子以外の男子まで正座させられているので、可哀相だ。


「えっ!?でも地獄を見るって」

「それは、私にも分かりません」


ユカの言ったことだし、私と藤井先輩のことがクラスで騒がれていたなんて、信じがたい。


「ただ、教室が静かになるまで外に出といてって言われただけです」


「そぉか?じゃあ、こいつらにえらい悪いことしたな」

藤井先輩は、そう言いながら頭を申し訳なさそうに掻いた。