藤井先輩と私。


委員長とユカ、うまくいくといいだけど、この状況をどうすればいいんだろう。

私恋愛経験0に近いし、偉そうにアドバイスなんてできない。

できたとしても漫画か小説の受け売りぐらい。

そんな安っぽいアドバイスなんてユカの役に立つわけないし…。

そうだ!亀の甲より年の功だよ!

私より1年長く生きている藤井先輩なら良いアドバイスしてくれるかも。

先輩モテるみたいだし、私より恋愛の経験豊富かも。


「先輩はどうすればいいと思いますか?」

「ちょっと陽依!」

ユカの声は聞こえないふり。


「そうやなぁ…俺の経験から言うと、好きって気持ちは言葉にはっきり出さないと伝わらへんってことかな。どんなに頑張ってもどんなにアピールしても、相手に気付いてもらわれへんかったら、そんな頑張り意味ないやろ。まずは気持ちを伝えてそれからや。頑張りどころはな」


先輩ってやっぱり恋愛経験あるんだ。

そっか。

一体どんな人と付き合ってたんだろう。

きっと美人な人なんだろうな…。


「藤井先輩が言うとなんか説得力あるわね。おなじような経験したからかしら?ねっ陽依」


「うへっ?」

「聞いてた?」

「うん」

なにぼーっとしてたんだろ。

今はユカの相談に乗ってあげなきゃなのに。


「まぁ、よーするに、今日の放課後ぐらいに昨日のこと謝っとき。気持ち伝えるんは、今日じゃなくてもええけど、普通にしゃべれるように戻っとらんとあかんしな」


「そうね。そうするわ」


「じゃあ、私委員長に教室に残っててって伝えとくね」

「ありがとう陽依」

いいんだよ。
少しでも、ユカの役にたちたいから。


それから昼休み終了のチャイムが鳴り、私たちは教室に戻った。