藤井先輩と私。

ごちそうさまです。




……なによ。もっさりしていたのは、前髪とメガネのせいじゃないの。

髪型とメガネをどうにかすれば、もう少しは影濃くなるんじゃない?




「もっ…本原?」


うわぁっ…

気づくと私は、小西くんの額に手をあてたまま、顔をずっと凝視していた。

そう分かった瞬間、私の顔は熱を帯びる。
私の熱が移ったのか、小西くんも赤くなってる。


「あっ…ごめん」


「どうしたの?いきなり」
ボサボサの頭を掻きながら、小西くんは心配そうに私の顔をうかがった。


「あっ…えっと……切ろう!」

「えっ?」


「来て!」


思い立ったが吉日。

そうよ、小西くんを委員長らしく、みんなをまとめられるような見た目にしちゃうのよ。

私は、行きつけの美容院へ小西くんの手を引っ張って連れていった。