「あのね!私…」
言わなきゃ!
「わたし…「俺のこと振ろうとしてる?」
笑顔が少し切ない表情に変わって、遠くの空を見つめる梶瀬君。
…私が何を言おうとしているのか、梶瀬君にはお見通しだったみたい。
「でも、聞かないよ。俺。聞いてなんかやんない」
そう言って、耳をふさぎ目を閉じる。
どうしよう。
でも言わなくちゃ…。
耳を塞がれたら私の言いたいこと絶対伝わらない。
どうしよう。
せっかく、ユカが作ってくれたチャンスなのに。
グイッ
私がどうしようかずっと悩んでいると、突然体が梶瀬君の方へ引き寄せられた。

