藤井先輩と私。

駅に着いて、各々切符を買うと、ホームで一列に並び電車を待った。



≪デスティニーランド行き≫


手に持った切符が震える。


緊張してるんだ私。



「陽依!楽しもうな!」


「はい!」


先輩の満天の笑顔を見ていたら、自然と震えが止まっていた。




それから、電車が来て乗り込むと、数分でデスティニーランドに着いた。


電車のホームはすでに家族連れやカップルであふれていて、デスティニーランドオリジナルキャラクターのデスティンくんが出迎えてくれた。


「可愛い~」

デスティンくんと握手する。


「デスティンくんて実は34歳なんやって」


藤井先輩がデスティンくんの頭をなでながら言った。


「パンフレッドに載ってたで。デスティンくんの設定」

「意外とおっさんだな。お前みたいに」

「なんやとオラー!」



いつでもどこでもけんかになっちゃうんですね…。


「ほら、ボケッとしてないで行くわよ。アホザル2匹と陽依!」


ユカのその声でやっと、デスティニーランドへつづく階段をおり始めた私たちなのでした。