藤井先輩と私。

うえぇええええええぇぇ!?



わたたた私!?



何ドキドキしてるのよ!

先輩はただ私の名前をつぶやいただけ。

なんの意味もない。



そばにいる私の名前を呼んだだけ。



そんな深い意味なんてないんだから。


火照る顔を両手で冷ました。


落ち着いて。

落ち着いて。





とりあえず…名前を呼んだら起きてくれるかも。



「ゆ……」




ただ先輩の下の名前を呼ぶだけなんだから、先輩ごめんなさい、名前呼ばせていただきます。





「…悠太」





「はい!」



藤井先輩は、がばっと飛び起きて、右手をすっと伸ばし、勢いよく返事をしました。