「よっし…」
藤井先輩は、両手で頬をパチパチ叩いたかとおもうと、
「ほっぺた叩きすぎて、顔真っ赤になってもうたわ」
と言った。
「ホント真っ赤ですね」
「そーか?」
藤井先輩は、ベンチの上に座りなおし私の方を見た。
「で、なんでここおるん?」
「クラスに入ると地獄を見るって友達に言われて」
そういうと、先輩は私の両肩をがっしり掴んで、
「なんや、キミいじめられとんのか!?よっし、俺がしばいたる!」
と叫んだ。
地獄を見るっていうのは、そういう意味じゃないんです、先輩。
と、言おうとすると、
「何も言わんでええ!俺がさらっと解決したるから!大船にのったつもりで太鼓判をおしまくったる!」
と意味不明な言葉を言うと、走ってどっかにいってしまった。
「ちょ…せんぱ…」

