イチヤ・・・

貴方さえ在れば

私は、他に何もいらない。

一夜は繋いでいない方の手で
彼を手招いた。

「ショウ、来いよ
 
 お前は、今日から
 俺の弟

 遠慮すんなよ」

「うん」

「イチヤ・・・?」

「カヤ、大丈夫
 お前もすぐに慣れるさ」

一夜の言うとおり、自然と
私達の間に溶け込む彼の事を
私はいつの日か『お兄ちゃん』
そう、呼べるようになっていた