兄貴・・・

アンタの、その瞳は

いつも遠く

ただ、一点だけを

見つめていた。

「イチヤ、カヤコ

 これからもずっと
 ショウちゃんと
 仲良くしてあげてね」

あなた達は、今日から
三人兄弟になるのだと
母は、微笑んで言う。

幼かった私は、戸惑いを
隠せずに兄、一夜の手を
強く握り締めた。

二人だけの世界だったのに
彼は、それを脅かす。

一夜は、彼の事が好き。

私は、彼の事

好きになれない

一夜・・・

あなた以外の人

わたし、嫌い。