その時、一台のタクシーが
急停車した。

開かれる後部座席のドア。

外灯の下

ピンク色のハイヒールが雨の
跳ね返る黒いアスファルト
を彩る。

そこには、花夜子の姿・・・

雨は、容赦なく花夜子の全て
を濡らす。

ザーーー

コツコツ

花夜子は、雨の中歩く・・・

どぎついメイク、花夜子の
変貌に何も言わないまま
一夜は、待たせてある車へ
と歩いて行く。

すれ違う二人は何も話さない

歩む事をやめることはない。