「おまえは、バカじゃない」

「いいよ、わかってるから

 イチヤだって、私が
 バカだってこと一番
 知ってるくせにぃ?

 血の繋がった兄の事を本気で
 愛して、貴方の前で愛を告げ
 そして全てを晒した・・・

 本当、気持ち悪いったら
 なかったよね?

 イチヤが、私の名前を
 呼びたくなくなった気持ち
 わかるよ
 
 本当、ウザい女だったもん
 
 そして、しつこく思い続けた
 結果、貴方の大切な恋人まで
 私は傷つけ、死に追い遣った
 悪女・・・」

一夜の悲しい表情とは裏腹に
その声は強くなる。

「悪女なんて言うなよ
 おまえは悪女なんか
 じゃない

 俺のかわいい・・・」

「妹?」

「ああ・・・

 いや、違う」