桃染蝶

一夜の腕に抱かれてミルクを
飲む庵の姿を見て私は、ほっと
するの。

一夜に庵がそっくりで良かった

これなら誰も、二人の子ども
だってこと疑わない。

「イオリったら
 
 ほんと、イチヤにそっくり」

微笑む私に、一夜は言うの。

「おまえに似て、美人だ」

「美人って、イチヤ
 イオリは男の子だよ、もう」

笑いあう声・・・

「イオリ、おまえ
 将来は、モテて困るぞ」

「何、言ってるの
 
 困ってたようには
 想えないけど
 
 いっぱい女の子侍らせて
 次々泣かせてたくせに・・・

 イオリ、そんな男には
 なっちゃダメよ」

「仕方ねえじゃん
 女がついてくんだもん

 なぁ?」

「もう、言ってなよ」